
くまてつ@中国です。
新生銀行のカードを使って人民元を引き出すにしても、現地の銀行の口座より現金を引き出すにしても便利なのがATMです。
言葉を話すことができなくても、単語さえ覚えていればATMは操作できます。
たとえ操作を間違えてもATMは切れたりしませんしね。
ところで、今日家賃とその他の費用を振り込むために中国工商銀行に行ってきました。
わたしがいつも行く工商銀行は穴場なのか、いついっても空いています。
今回もガラガラで3つあるATMのうち、ひとつが空いていましたので早速カードを挿入して残高を確認した後、引き出そうと「取款」(引き出す)というボタンを探すのですが、見つかりません。
仕方なく別のATMに並びなおして、同じ操作を繰り返してもやはり「取款」(引き出す)のボタンが出てきません。
よく見ると、となりで操作していた方も同じ状態に陥っているのかキョロキョロしていました。
しかたなく、銀行員に「引き出しできないんですが?」と尋ねると、彼はATMの画面をみて、笑いながらすぐにその理由を教えてくれました。
ATMにて出金することが出来なかったシンプルな理由。
その理由とは「お金がなくなった」というものでした。
「どういうことですか?」と尋ねると、「ATMの中に入っている現金がなくなった」「今日はもうおしまい」ってことでした。
よく見ると「出金業務ができません」って中国語と日本語でスクリーンにメッセージがでていました。
係員は笑いながらサインを持ってきて、ATMに付け始めました。

左側に取り付けられたのがサインで、「この機械は入金業務のみを提供しております」って書いてあります。
入金処理のみを提供している理由が「お金がなくなったから」っていうのにはちょっと驚きましたが、最大額面の紙幣が100元(1700円程度)の中国では、こういうことが生じやすいのかもしれません。
家に帰り妻にこのことを話すと、ドヤりながら「わたしもう知ってた」って言われました。
「へえ、そうですか・・・」って答えておきました。
いつでも自分に責任があるわけではない。
仕方がない理由でうまくいかないこともある。
自己責任が強く叫ばれる世の中で生活していると、トラブルが発生した時にまず疑うのは自分に不手際がなかっただろうかって思ってしまいます。
でもここ中国では、銀行のATMのようなシステムでも結構適当に運用されていて、機械が壊れているなんてことも日常なので、トラブってもまずは機械や周りを疑ったほうがよさそうです。
例えば中国の銀行で通帳を記帳してみると、行を飛ばして印刷してみたり、ページを間違えて印字したりすることがよくあります。
これでは困ると言うと、別の機械で入出金履歴の一覧表を印刷できるから、それを使えばって言われたりします。
そしれそれで印刷しようとすると、インク切れで印字できないなんてこともあります。
どうにかならないって係員に言うと、明日来てねって言われたので、明日は大丈夫なのって聞くと、たぶんねって言われたりします。
気分を害して、不満を爆発させても相手にはしてくれませんので、そうなんだね。ってスマートにそこを離れるのが良いと思います。
こんな場所ですから「仕方ないね」ってスマートに言える訓練が必要ですね。
すぐに責任問題を追求するとうまくいかないのが中国。
それはそれで良いところもあるので、これは文化の違いというだけで、受け入れるしかないでしょうね。
くまてつでした。