
くまてつです。
ごく一部の皆さんに大人気のシリーズ「もし外国語を勉強したいなら最初にしっておくべきこと」も第四回となりました。
今回はよく聞く「外国に行ったら言語は劇的に伸びるって本当」ってお話です。
まず私の経験からすると「初心者」が外国に行きますと「撃沈」します。
その理由をご紹介します。
言語学習初心者が現地に行きますと撃沈する3つの理由。
1:手持ちのカードがない状態でプロの遊び場に飛び込むようなもの。
初心者のレベルにもよりますが、間違いなく使える手札がすくない状態でしょう。
その状態で、日本語が通じない環境に飛び込みますとどうなるかと言いますと、単純に混乱します。
そしてその混乱状態から抜け出すのは結構な力がいります。
もちろん、ものすごく人懐っこいとか、コミュニケーションのずれなんて大したことないって思える人なら、当たった砕けて再構築してください。
わたしが最初に中国に行ったのは、2008年でした。
その時の感想は・・・
「二度と中国には来たくない」ってものでした。
上海駅に着きバスから降りると、なぜか妻と同行した2人のには人々は見向きもせず、わたしに向かって「携帯買わない?」とか「ホテルを紹介してあげよう」とか「1000円だよ」ってよくわからないものを売りつけてきました。
何を言っているのか中途半端にわかるのが嬉しいという感覚は一切なく、これにどのように返答すればよいのかわからないことにいらだちを感じました。
当然、上手に断っていないので、わたしの後を変な期待を抱いた人々が付いてくる始末。
その時点で、来るのはまだ早かったかなって気が付きました。
ひとつ良かったのは、自分の中国語はまったく役に立たないってことを実感できたことでした。
やるべきなのは、仕えるフレーズや単語を増やしてから挑戦するってことです。
2:アウトプットする機会は意外に少ない。
観光客として中国に行ったとしても、意外に中国語を使う機会はありません。
それは当然です。
どの言語を学ぶにしても、その国行ったからといってその国の言葉が絶対に必要ってわけではありません。
日本でも買い物をしていても、話さずにすべてを終わらすことができます。
観光地でも同じです。
同様に現地に入ったとしても、特に問題なく過ごすことができます。
自分の言語能力がさほどではないと気が付き、しかも混乱しきっている状態であれば、話さずに過ごすってことが楽に感じてしまうことでしょう。
それでせっかくのチャンスなのに話さずに時間だけが過ぎてしまうってことになりかねません。
3:現地の人が話す外国語は決して標準ではないことに気が付かない。
中国語がもしかすると特にそうなのかもしれませんが、話し言葉と書き言葉に明確な違いがあります。
加えて発音ですら標準でない場合もあります。
これらの違いを初級者では理解できず、自分の言語学習の努力は全く無駄だったと勘違いして挫折してしまうこともあります。
例えば中国語で「これはお幾らですか?」と尋ねる方法は「多少钱?」と習います。
しかしこの言い方では通じない場合が良くあります。
なぜかと言いますと・・・まず「多少钱?」の発音が難しいってこと。
そして場所によってはあまり使わない言い回しであることの二つの理由で通じないことがあります。
しかし辞書にはあまり載っていない「怎么买?」と言い換えるとかなりの確率で通じます。
これは「どんなふうに売っているの?」って言い方です。
この辺りは初級ではなく中級のレベルになってくると思います。
もちろん「多少钱?」は正しい言い方ですが、現地の人にはこっちに合わせてあげようという配慮はありませんから、正しく学んだはずのことが通じないとなると混乱状態に簡単に陥ってしまいます。
そして、現地まで来たのに伸びないとは才能がないのではと誤解する。
これが最悪の状態です。
せっかく頑張って勉強してきたのに、現地に来てしまったばっかりにお金と時間と自信を失ってしまったと思い込み、言語学習をあきらめてしまうってわけです。
でも方法がないってわけではありません。
こんな人にはお勧め。言語学習のための現地への旅行。
1:初級者を抜けられそうな気分になってきた学習者。
中国語学習を初めて1年が過ぎたころ台湾に友人と行ってきました。
日本でも中国人の友人とたくさん話してきたのですが、どうも自信がもてませんでした。でも台湾で見知らない皆さんと中国語で話すと「意外に通じる」ってことに気づきました。
これは初級者では感じられない感覚だと思います。
ある程度話せるようになってからチャレンジすると学習への意欲がレベルアップできます。
2:目的のある旅行を予定できる方にもおすすめ!
ただツアーで現地に行ってみる。とか目的もなく現地に入ることはお勧めできません。
目的なく旅に出ても、海外で孤独を味わうことができます。
でも旅に目的があれば変わってきます。
例えば現地でしか体験できないことに挑戦するとか、ある特定のものを購入するとか、ツアーではなく自力である場所に行ってみるなどを前もって計画しておくと可能性が一気に広がります。
旅行に出かける前に切符を買うときにはどのように言うか?とか買い物の場面でどのように言うかを練習しておきます。
そしてそれを現地で試してみます。
これもいい練習となりますよ。相手は手加減なしに接してくれます。
3:定期的に旅行を計画できるのなら最高
実は言語学習ほど進歩がわかりにくいものはないって思っています。
コミュニケーションは相手あってのことです。
それで相手のコミュニケーション能力が以上に高かったり、とっても性格が良かったり、日本語を理解していたりすると変な外国語を話していても上手にコミュニケーションが取れたような気持ちになったりします。
また逆もあり、相性が悪い相手とは言語能力が向上していても上手にコミュニケーションを取れなかったりもします。
そんな理由もあって言語能力が向上しているかどうかなんてさっぱりわからなかったりもします。
でも現地に行ってしまえば違います。
良くも悪くも自分の外国語能力を実感できます。
個人的な関係がない、真剣勝負が求められます。
というわけで、定期的に現地にでかけると毎回の自分の違いを実感できるようになります。これが進歩を測るバロメーターになります。
わたしも年に4-5回現地に行くたびに、少しづつですができることが増えて、話せているって感覚を味わうことができました。
その経験値が積み重なっていくのを毎回実感できます。
でもお勧めなのは留学ではなく、数か月ごとに現地にいくことです。
その方が自分の伸びを実感できます
そしてさほどのコストもかけずに済みますしね。
もちろん次回の旅行までの間は個人的に言語学習を続けないといけないですけどね。
ちなみに日本から香港もしくは中国のいくつかの都市へはチケット代こみで5万円も準備すれば十分に旅行してこれますよ。
先日友人は福岡-香港のチケットを12,000円で予約しました。世界は狭くなっています。
くまてつ的まとめ
初級の初級者にはお勧めしない現地への言語目的の旅行。
でも脱初級を目指す人や、めげずに定期的に出かけるタフな精神をお持ちの方にはお勧めします。
現地で自分の考えを言えるようになるって本当に素晴らしい。
というわけで初級も終わりを迎えようとしてる皆さん。
アウトプットを目的とした旅行にいってみませんか?
くまてつでした。